引用:移住者続々、20年で2割も人口増——北海道東川町「脱公務員思考」で進めた自立政策 | BUSINESS INSIDER JAPAN
という記事を見つけて興味深かったので
北海道上川総合振興局にある
東川町の人口統計についてまとめてみました。
まずは
東川町の概略。
東川町は
北海道のほぼ中心に位置する人口約8千人の町です。
東西南北の各方位で4つの自治体と隣接しています。
東は紅葉で有名な
上川町。
南は「美しい日本のむら景観百選」、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」、青い池で有名な
美瑛町と、
旭川空港があり
旭川市のベッドタウンとして平成27年国勢調査では
北海道で最も人口増加率が高かった
東神楽町。
北と西は
北海道第2の都市で道北の政治、経済、文化の中心である
旭川市。
記事タイトルにあるように
東川町は高齢化や過疎で頭を悩ませる日本全国の自治体を尻目に、
ここ20年で人口を20%も増加させています。
上のグラフは
日本、
東京都、
北海道、
札幌市、
東川町と周辺自治体のここ20年(国勢調査1995~2015)の人口増減率比較です。
東川町:約12.48%(国勢調査の結果なので参考記事とは数値が異なる)
旭川市:
約-6.43%
上川町:
約-35.66%
東神楽町:約33.31%
美瑛町:
約-14.98%
札幌市:約11.12%
北海道:
約-5.46%
東京都:約14.79%
日本:約1.21%
東神楽町の人口増加率も凄まじいものがありますが、
東川町の人口増加率+12.48%も大都市圏から遠く離れた小規模自治体の数字としては驚異的です。
人口規模が違い過ぎるので一概には比較できませんが、
北海道の人口が集中する
札幌市を上回り、
一極集中の続く
東京都とそう大差ない数字が出ています。
続いて
東川町の人口ピラミッドを見てみます。
◆
平成27年国勢調査(総務省統計局)人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など) 都道府県結果 01北海道 男女・年齢・配偶関係 4-3 を基に作成
他のほとんどの自治体と同様に団塊の世代の人口割合が飛び抜けて多いのがよくわかります。
しかし、他の地方自治体よりも二十歳以下の人口割合=未成年の人口割合が多くなっています。
M:明治 T:大正 S:昭和 H:平成
上のグラフは
東川町の人口推移及び人口増減率 1920年~2015年(大正9年~平成27年)です。
1950年(昭和25年)から1975年(昭和50年)までは人口減少が続き、
1980年(昭和55年)に増加に転じますが、その後は1995年(平成7年)まで減少し、
平成7年の人口は7211人と国勢調査開始以来最も少ない人口となりました。
しかし、これを時代の流れだとか地方だからと簡単に結論付けて諦めずに、
効率化という名の下に思考停止して周辺自治体との合併を選択せずに、
地域と行政が一体となって定住人口を増やす努力をしました。
ひがしかわ株主制度、全国初となる公立日本語学校の設立等々。
その結果が20年で人口20%増加という数字に表れているのでしょう。
もちろん、
旭川市という比較的大都市に隣接していること、
旭川空港という交通の要綱にアクセスしやすいこと、
北海道というブランドを利用できること
等の他の地方自治体にはないアドバンテージがあることが
東川町の成功の要因で有ることは否定できません。
でも、
東川町よりもはるかに、
地理的条件、観光資源、産業、人口に恵まれているのに
自助努力をせずに衰退していくだけの都市が日本全国にあることを考えると、
どうしても
東川町がまぶしく見えてしまいます。